「教授」と呼びかけることについて

松村嘉浩『増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか? 日本人が知らない本当の世界経済の授業』を読んだ。大学の教授と、そのゼミ生との対話型の本である。その二人の会話の中で、ゼミ生が先生を呼ぶときに「教授」と言うのだ。かなり違和感がある。

1年生向けの文系の授業を思い出す。「教授」は呼びかけるときに使う言葉ではない、と先生が言っていた。確かに、(人より長い)大学生活のなかで、先生のことを「教授」と呼びかけたことは無いし、呼びかけているのを聴いたこともない。

本棚から、大学の教授と学生の対話型の本を引っ張り出して見てみた。3冊みつけたけど、どれも「先生」と呼びかけている。2冊は大学の教授が著者であり、もう1冊は(元)学生が書いたものだ。

「教授」と呼びかける起源は、映画(あるいはドラマか小説、そしておそらく恋愛物)の影響ではないだろうか。昔大ヒットしたもので、先生のことを「教授」と呼びかけるものがあり、その影響が今でも続いているのでは、と想像している。具体的な作品に心当たりはない。けど、先の本を読んでいる時に「教授」と呼びかけるシーンが出てくると、映画かドラマ的な雰囲気を感じるのだ。しかも何故か、その後の二人の展開を期待してしまう。。。

本の内容は、これからの日本を考えるという、マジメな本である。だけど「教授」の一言で不真面目な態度で読んでしまった。